温かな春が訪れると、ウグイスは美しい鳴き声で知られ、「春告鳥」「ハルツゲドリ」と呼ばれ、日本人にとって長い間親しまれています。
ウェザーニュース社では「ウグイスの声を聞きましたか？」というアンケートを実施し、その結果、38％の人が聞いたと答え、62％は聞いていなかったという結果が出ました。
しかし、地域別に見ると、中国地方以西では、半数以上の人がウグイスの声を聞いたことがあり、西に行くほど聞いた率が高いことが分かりました。
ウグイスの「ホーホケキョ」の鳴き声は、春に関連付けられているようです。
また、その声を聞いたことがあっても、その姿を見ただけでウグイスだとすぐに分かる人はあまり多くはいないでしょう。
ウグイスの特徴とは？
「ウグイスは、ウグイス科に属し、シジュウカラと同じくスズメ目に分類される鳥です。
彼らは日本全土から朝鮮半島、中国大陸の北東部にも広く分布しています。
彼らは山地の笹薮で繁殖し、冬季には暖かい低地へ移動します。
一部の地域では季節ごとの移動をせず、ずっとその地に留まる『地付き』のウグイスもいます。
ただし、北海道の寒冷な気候では、春から夏にしか姿を見せず、寒冷な冬には存在しません。
ウグイスは全身が灰褐色をしています。
彼らのくすんだ黄緑色は一般的に『ウグイス色』と呼ばれますが、古代にはメジロと混同されていたこともあるようです。
彼らの体長は約14～15cmで、スズメとほぼ同じくらいの大きさですが、体形がスズメよりも細いため、一回り小さく見えることがあります。
オスはメスよりも大きいことがよくあります。
肉眼でウグイスを識別するのは難しいですが、彼らの特徴として、目の上に白いラインが入っていることが挙げられます。
ウグイスの主な食べ物は小型の虫やクモなどですが、秋から冬にかけては植物の種子も食べることがあります。
ウグイスが鳴く「ホーホケキョ」は春だけ？
ウグイスが鳴く「ホーホケキョ」は、春の象徴として広く知られています。
しかし、ウグイスは日本全国に分布しているはずなのに、秋から冬にはその歌声が聞かれないことがあります。
ウグイスが「ホーホケキョ」と歌うのは春だけのことなのでしょうか。
「ウグイスの『ホーホケキョ』は、オスが繁殖期になり、自分の縄張りにメスを引き寄せるために鳴く歌です。
同時に、他のオスに対して「ここは私の縄張りだ」と主張する意味も含まれているようです。
通常、ウグイスの繁殖期は2月、3月から7月半ばごろまでであり、それ以外の時期に「ホーホケキョ」と歌うことは滅多にありません。
ウグイスが「ホーホケキョ」と歌うとき、彼らは喉を膨らませ、その歌声を遠くに響かせます。
実際、ウグイスは「一夫多妻」の生活様式を持っており、オスの縄張りには複数のメスが繁殖します。
1匹のオスに対して、周囲には7匹ものメスが見られることもあります。
過去の例だと2022年、東京での観察では、最初の「ホーホケキョ」が2月23日に確認されました。
「今年の初音」（その年に初めて聞かれるウグイスの歌声を指す言葉）の時期は2022年は通常どおりだったといえるでしょう！
ウグイスは繁殖期以外にも鳴くのでしょうか？
「夏以降、オスとメスは『チャッ、チャッ』と目立たない『地鳴き』と呼ばれる鳴き声を発します。
このウグイスの鳴き声は特に『笹鳴き』として知られています。
これは、他の個体が近づいてきそうなときに、”私はここにいます。
距離を保ってください”というメッセージを伝えるためのものと考えられています。
繁殖期のウグイスは、長い鳴き声を発することもあります。
これは『谷渡り』と呼ばれ、鳴き声が反響し、ウグイスの天敵である猛禽類や人間が近づくことを知らせる警戒音とも言われていますが、その具体的な意味はまだよく理解されていないようです。
ウグイスを観察する際の注意点とは？
ウグイスを見つけるのは難しいですが、彼らがよく見られる場所はやぶや低木が密集した場所です。
鳴き声の方向から探すか、その場に静かにとどまっていると、小さな枝の先や茂みの頂部に姿を現すことがあるでしょう。
『ホーホケキョ』のさえずりは遠くまで届くため、彼らは予想以上に遠くで見つけることもあります。
鳴き声を聞いたら、しばらく待って、周囲に注意を払ってみると良いでしょう！
ウグイスは「声はするが姿は見えず」と言われることがありますが、彼らのさえずりを楽しむだけでなく、春の到来を告げる鳥の生態を詳しく観察してみるのも面白いかもしれません。
今回の記事が快適な生活を送るお手伝いになれたら幸いです。
最後までお読み頂き有難うございました。
