日の当たらない風通しの悪い部屋をそのままにしておいた結果、気づけば壁、天井、家具、さらには押し入れの衣服まで、我が家はカビでいっぱいになってしまいました。
最初に何から手を着けるべきか、全く見当がつきません!
どのようにカビ対策を始めればいいのでしょうか?
家の湿度が高かったり、水漏れがあったり、日の当たりが悪かったりすると、季節によってはあっという間にカビが広がることがあります。
近年、気候変動の影響で雨の多い年や湿度が高い日が続くと、いつの間にか家全体がカビで覆われてしまうことがあります。
お風呂や寝室にカビが生えると、心も体も休まらないですよね?
カビをそのままにしておくと、家の構造にまで深刻な影響を及ぼし、健康へのリスクも高まります。
そこで、この記事では「家全体にカビが広がってしまった際の対処法」について詳しく説明します。
・家の中にカビが発生してしまい、どこから対処すべきか悩んでいる
・どのカビ取り剤を使用すれば良いのかわからない
・カビ取りを専門業者に依頼すべきか、自分で行うべきか迷っている
この記事は、こんな悩みを持つ方々に向けて書かれています。
家全体にカビが広がった際の対応戦略
家の隅々にカビが広がってしまった時、最初にどのように対処すべきかを考えてみましょう。
家全体に広がったカビへの対策
まずは、カビの広がりが1平方メートルを超えるか、または届かない高さに生えている場合、自分での取り除きが困難であるため、専門業者に依頼することをお勧めします。
カビを放置すれば、家全体に拡散し、健康にも害を及ぼすリスクがあります。
広範囲に広がったカビを市販のカビ取り剤で取り除くのは効果が限られており、カビ取り剤に長時間触れることで健康を害す恐れもあります。
自分での対応よりも費用はかかりますが、広範囲にわたる場合は専門業者に安全にカビの除去を依頼することを推奨します。
場合によっては引っ越しも選択肢に
カビが大規模に広がった場合、業者に依頼するとともに、引っ越しを検討する選択肢もあります。
カビが広範囲に渡りリフォームが必要な場合、トータルコストとして引っ越しの方が安くつくこともあるためです。
ライフスタイルによっては引っ越しは簡単ではないかもしれませんが、可能性の一つとして考慮すると良いでしょう。
①広範囲や手の届かない部分に広がったカビは、業者へ相談しましょう
②特に健康への影響がある場合は、速やかに対策を行いましょう
③可能であれば、引っ越しも検討しましょう
しかし、梅雨時などで業者の予約が取れない場合や予算の都合上、すぐに専門業者を依頼するのが難しい場合もあります。
そこで、専門業者に頼む前に自分で行えるカビの除去及び対策方法をご紹介します。
カビ対策の基本手順は以下の通りです。
1.換気を行う
2.不要な物の処分
3.掃除をする
4.カビ除去
5.湿度を下げる
これらのステップを通じて、家のカビを効果的に取り除く方法を説明していきます。
家庭で行うカビ対策
準備の手順
カビ対策を行う前に、カビの胞子を吸入しないために「マスク」を着用しましょう。
加えて、長袖と長ズボンを着用し、可能であれば目の保護のためのゴーグルも用意します。
カビの胞子を吸い込んだり、目に入れないようにするのが目的です。
マスクがない場合は、布で口を覆ってください。
また、カビ取り剤使用時はゴム手袋を着用しましょう。
注意点:暑い時期は熱中症に注意し、水分補給と休憩を適切に取りながら作業を行いましょう。
①換気を最優先に
晴れた日には、家中の窓を全開にして換気を行います。
カビの成長原因である湿気を排出しましょう。
雨の日や湿度が高い日は、換気扇の使用をお勧めします。
カビの生えた部屋に窓や換気扇がない場合は、空気清浄機を活用しましょう。
※ただし、一部屋にのみカビがある場合は、全体の換気によって胞子が広がる恐れがあります。
この場合は、カビの生えた部屋に空気清浄機やサーキュレーターを使用し、拡散を防ぎましょう。
②不用品の除去
家中に不必要な物が多いと、カビの被害が拡大しやすくなります。
家中にカビが広がっている場合、物にもカビが生えている可能性が高いため、必要な物以外は速やかに処分しましょう。
特に、カビが生えた貴重な衣類は、酸素系漂白剤で処理するか、専門のクリーニングに頼むことをお勧めします。
高価な衣服の場合は、カビ専用のクリーニングサービスも検討しましょう。
③徹底清掃
不要なものを取り除いた後は、家中を徹底的に清掃します。
掃除機でホコリや髪の毛を吸い取り、床を拭き掃除しましょう。
ただし、床にカビが生えている場合、掃除機使用で胞子が舞う恐れがあるため、消毒用エタノールや次亜塩素酸水、希釈した逆性石けんを使った拭き掃除を行いましょう。
④カビ除去
壁や天井のカビを除去する際には、消毒用エタノールから始めます。
カビの色素が残る場合は、壁専用のカビ取り剤、次亜塩素酸水、希釈した逆性石けんを使用します。
高い部分のカビは、カビ取り剤が目に入らないようゴーグルを着用し、換気した状態で作業を行いましょう。
手が届かない部分は、フローリングワイパーなどを使って液剤を塗布します。
トイレやお風呂などの水回りに生えたカビは、市販のカビ取り剤を吹き付けて一定時間放置した後、洗い流します。
他の部屋にも同様に、消毒用エタノールを使用し、固く絞った雑巾で拭き取ります。
色素が取れない場合は塩素系または酸素系漂白剤を使用します。
壁紙の奥までカビが浸透している場合、表面処理だけでは不十分なため、専門業者に相談が必要です。
⑤除湿を徹底
カビ取りが完了したら、再発防止のために除湿を行います。
納戸、押入れや靴箱など閉じた場所には市販の除湿剤を配置し、湿気をこまめに取り除きます。
部屋全体の除湿は、除湿機を使用するのが最適です。
除湿機がない場合は、エアコンの除湿機能を利用し、湿気を除去します。
特に湿度が高い日には、定期的に除湿を行うことが重要です。
カビ予防のための生活習慣の改善
この記事では、家中のカビを抑制するための応急処置をご紹介しました。
しかし、最も重要なのは、日常の生活様式を変えてカビを予防することです。
住環境の要因(立地や日当たりなど)は容易に変更できないかもしれませんが、日常の工夫でカビの発生を最小限に抑えることは十分可能です。
カビ予防のための日常のポイント
1.1日に2回以上、全ての窓を開けてしっかり換気する
2.濡れた靴や衣服は完全に乾かしてから収納する
3.不要な物を購入しない、または新しい物を買ったら不要な物を処分する
4.クローゼットや押し入れは定期的に開けて風通しを良くする
5.定期的に衣類を取り出して、収納場所を掃除する
6.トイレやお風呂場は小まめな換気を心がける
7.使用後の寝具は湿気を取り除くために干すか立てかける
8.床の上に物を置かない
9.窓の結露はこまめに拭き取る
10.カーテンも定期的に洗濯する
これらの日常的な行動は、カビ予防に有効です。
毎日全てを行うのが難しい場合でも、休日や季節の変わり目などを利用してこれらの習慣を取り入れ、カビのない快適な生活を目指しましょう。
カビが生えやすい家庭の特徴と対策
この記事では、家庭内でカビが繁殖しやすい条件とその対策について解説します。
現在、家にカビが広がっていなくても、以下のような特徴があれば将来的にカビの問題に直面する可能性があります。
チェックして、必要な対策を講じましょう。
①日光不足と湿気の問題
日光が不足している家庭は、空気が乾燥しにくく、湿気が溜まりやすいです。
これがカビの繁殖に適した環境を作ります。
特に、家の北側のような日当たりが悪い部分では、カビがよく生えます。
加えて、湿地帯や川の近くの住宅では、高い湿度がカビの問題を引き起こしやすいです。
また、低階層の住宅も同様のリスクがあります。
②物の多さと通気性
家に物が多すぎると、空気の流れが妨げられ、湿気が滞ります。
これがカビの発生につながります。
物が多いと、その一部にカビが生えると、すぐに他の物にも広がります。
さらに、物が多いとホコリが溜まりやすく、掃除が困難になるため、カビのリスクが増大します。
③エアコンを活用していない
エアコンは、冷暖房だけでなく、除湿機能も持っており、湿気を取り除く重要な役割を果たします。
エアコンがない、またはうまく機能していない家は、カビが生えやすくなります。
エアコンのフィルターが汚れている場合も、性能が低下するため、定期的な掃除が重要です。
④掃除が不十分
掃除が不十分な家庭では、湿気やホコリが蓄積しやすく、カビが繁殖しやすい環境になります。
隅々のホコリやゴミをこまめに除去することが重要です。
また、清掃不足の家庭では害虫の問題も発生しやすく、これがさらに空気の質を悪化させます。
⑤換気扇を小まめに稼働していない
浴室やトイレに設置されている換気扇を停止していると、適切な除湿が行われず、カビが生える原因となります。
トイレやキッチン、浴室の換気扇を定期的に使用することが重要です。
・日光不足と湿気の蓄積
・物が多く通気性が悪い
・エアコンを活用していない、または除湿機能の不足
・掃除が不十分
・換気扇の使用不足
これらの条件に該当する家は、カビの問題に直面しやすいため、適切な対策が必要です。上記の点に注意し、日常の生活習慣を見直すことで、カビの発生を防ぐことが可能です。環境を整え、定期的な清掃や換気を心がけることが、健康的な住環境を維持するための鍵となります。
まとめ
家の各部がカビで覆われてしまった場合、カビ取り剤やカビによる健康被害のリスクがあるため、できれば専門業者に相談することを推奨します。
自分でカビを除去する場合、換気や不要物の除去など、カビのさらなる拡散を防ぐための予防策を講じることが重要です。
さらに、ここで紹介した対策は応急処置に過ぎません。
本質的には、カビが広がる前に事前に対策を施すことが重要です。
普段からの換気、清掃、除湿を心がけ、環境を清潔に保つことが、カビの予防につながります。
今回の記事が快適な生活を送るお手伝いになれたら幸いです。
最後までお読み頂き有難うございました。