4月になると「年度のはじめ」という表現をよく使います。
入学式や入社式、人事異動など、まさに新しいスタートの時期です。
でも「年度はじめ」を漢字にするとき、「年度初め」なのか「年度始め」なのか迷ったことはありませんか?
特にビジネスメールや社内文書では「どちらが正しいの?」と悩む方が多いはずです。
この記事では、
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「初め」と「始め」の違い
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「年度初め」と「年度始め」の正しい使い分け
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ビジネス文書での無難な選択肢
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言い換え表現のリスト
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実際に使える例文集
を整理して解説します。
「初め」と「始め」の違い
まずは基本的なルールを確認しましょう。
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始め:物事をスタートさせる出来事(英語の start)
例:仕事を始める/新学期が始まる -
初め:時間や順序の最初の時点(英語の first)
例:年の初め/春の初め/旅行の初め
👉 ポイントは、「始め」=開始の行為/「初め」=最初の時点です。
年度初め?年度始め?正しいのはどっち?
年度始め
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「始め」は物事の開始を表す字。
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「年度が始まる瞬間」という意味を正確に示す。
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公的文書や新聞記事、企業の通知ではこちらが多い。
年度初め
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「初め」は最初の時期を表す字。
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「年度の初期」という意味合い。
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日常会話や社内メールなどでは広く使われており、誤りではない。
例文比較
年度始め(公的・硬め)
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年度の始めにあたり、本年度の事業方針をご案内申し上げます。
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年度の始めに行われる人事異動についてご通知します。
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年度の始めは会計処理や契約更新が集中します。
年度初め(柔らかめ・一般的)
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年度初めは忙しい時期なので、スケジュール管理に注意しましょう。
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年度初めの行事として入学式や入社式があります。
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年度初めの慌ただしさに備えて体調を整えておきましょう。
どちらを選ぶべき?
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公式文書・通知・新聞など → 「年度の始め」
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社内文書・日常的な文章 → 「年度初め」
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迷ったときは「年度の始め」に統一するのが安全
👉 つまり、どちらも間違いではないものの、読み手や場面によって選び分けるのがポイントです。
言い換え表現
「年度の始め」「年度初め」という言葉を繰り返すと硬くなるので、言い換えも覚えておくと便利です。
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新年度のスタートにあたり
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新しい年度の幕開けに
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新年度入りとともに
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新年度を迎えて
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年度の開始時
👉 ビジネスメールでは「新年度のスタートにあたり」などが柔らかく使えます。
ビジネス文書での使い方(例文集)
社外向け(取引先へのメール)
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
年度の始めにあたり、本年度の体制および事業方針についてご案内申し上げます。
今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
社内向け(部門向け通知)
年度の始めに、本年度の重点施策を共有いたします。
各部門においては以下の目標を意識し、業務を進めてください。
スピーチ(入社式や朝礼)
皆さん、新年度の始めにあたり、一言ご挨拶申し上げます。
今年度は「挑戦と成長」をテーマに、全員で力を合わせていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q:「年度初め」と「年度始め」、どっちが正しいの?
A:どちらも使われていますが、厳密さを求めるなら「年度の始め」。
Q:「年始め」は誤り?
A:口語では使われますが、文書では「年始」や「年初め」を使う方が無難。
Q:「はじめに」はどう書く?
A:文章の冒頭や見出しでは「はじめに」(ひらがな)が一般的。
まとめ
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年度の始め=スタートの瞬間を表す。公的文書・通知に適切。
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年度初め=最初の時期を表す。日常や社内文書でも自然。
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言い換え:「新年度のスタート」「新しい年度の幕開け」「年度の開始時」など。
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迷ったら「年度の始め」を選ぶのが安心。