
雨上がりに空へ架かる大きな虹。
美しいだけでなく、理科や色彩の話題としても子どもが興味を持ちやすいテーマです。
「虹の7色って何色?」「順番は?」「どうやって覚えるの?」に、大人が自信を持って答えられるように、やさしく解説します。
虹の7色とは?日本と海外の違い
日本では、虹は赤・橙(オレンジ)・黄・緑・青・藍(インディゴ)・紫の7色と数えるのが一般的です。
一方で、世界では必ずしも7色とは限りません。
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6色:英語圏(藍を独立させず、赤〜紫の6色とする)
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5色:東南アジアの一部(境目をざっくりととらえる文化)
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8色以上:細かく区切って数える文化も
日本でも昔は5色(赤・黄・緑・青・紫)とされていた時代があり、のちに橙と藍を加えて7色になった、という経緯が紹介されることが多いです。
色の境目はグラデーションなので、**「どこで区切るか」**が文化によって違う、と伝えると納得感があります。
虹の7色の順番(外側から内側へ)
アーチ状の虹を外側から内側へ見ると、並びは次のとおり。
👉 赤 → 橙 → 黄 → 緑 → 青 → 藍 → 紫
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どこで見ても基本はこの順番(見る位置が変わっても順番は変わりません)
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絵を描くときはこの並びで色鉛筆やクレヨンを並べると、本物らしく描けます
まれに「順番が逆」に見える虹も?
副虹(ふくにじ/ダブルレインボー)と呼ばれる二重の虹が出ると、外側に現れる虹は順番が逆(外側が紫、内側が赤)に見えます。
主虹と副虹の間が少し暗く見える帯はアレキサンダーの帯と呼ばれます。子どもへは「外側の薄い虹は色が逆になるよ」とだけ伝えればOK。
虹の7色の覚え方・語呂合わせ
語呂合わせ(音読み)
せき(赤)・とう(橙)・おう(黄)・りょく(緑)・せい(青)・らん(藍)・し(紫)
→ **「せきとうおうりょくせいらんし」**で暗記!
イニシャル風
あ(赤)・お(オレンジ)・き(黄)・み(緑)・あ(青)・い(インディゴ)・す(紫)
→ 「あおきみあいす」(“青木、見合いす”の語感で覚えると楽しい)
覚えやすくする小ワザ
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色カードを並べ替えゲーム:順番に並べ替える遊びで反復学習
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クレヨン7本セットを箱ごと順番に並べる
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歌や手拍子でリズム化(低学年に効果的)
なぜ虹は7色に見える?(やさしい科学)
虹は太陽の光が水滴の中で屈折・反射・分散することで見えます。
太陽光(白い光)はいろいろな色の光が混ざっており、水滴の中で分かれ、色ごとの曲がり方の違い(波長差)によって赤〜紫の帯として現れます。
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赤い光は曲がりにくく、外側に見える
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紫の光は曲がりやすく、内側に見える
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境目は滑らかに変化するため、グラデーションに見える
ちょっと大人向け豆知識:主虹の中心角はおおよそ42°(赤側)で見えます。夕方のほうが太陽が低く、虹を見つけやすいのはこのため。
いつ・どこで見える?見つけ方のコツ
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太陽を背にする(太陽の反対側の空を見る)
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雨上がりやにわか雨のあとが狙い目(空に水滴が多い)
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朝か夕方(太陽が低い時間帯ほどアーチが高く見え、見つけやすい)
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噴水やホースの霧でも現れる(晴天でもミニ虹が作れる)
写真の撮り方(スマホでOK)
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露出をやや落とす(空の青が締まり、虹がクッキリ)
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逆光フレアに注意(太陽は画面に入れない)
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広角でフレーミング(全体のアーチを入れたいとき)
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地上の被写体を入れる(建物や木を入れるとスケール感UP)
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可能なら**偏光フィルター(PL)**でコントラストを強調(スマホ用もあり)
子どもに説明するときのコツ(年齢別)
幼児〜低学年
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「お日さまの光が雨のつぶで分かれて、きれいな色が出るよ」
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クレヨンや色カードを外→内の順で並べる遊び
中学年
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屈折・反射という言葉を少しずつ導入
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ホースや霧吹きでミニ虹実験
高学年
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分散や波長の考え方に触れる
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主虹・副虹、順番の違いまで見分ける観察眼を育てる
すぐできる!家庭での簡単実験
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CD/DVDの裏面に光を当てて、色の分かれ方を見る
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透明コップの水+懐中電灯で壁に色の帯を作る
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プリズム(100均の光学玩具でもOK)で分光を観察
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ホースの霧に日光を当てて、自家製レインボー
※直射日光を見るのは危険なので、太陽そのものは絶対に直視しないように注意。
よくある質問(FAQ)
Q. 雨が降っていないのに虹が見えることがあるのはなぜ?
A. 遠くで雨が降っていたり、空気中に細かい水滴(霧・噴水)があると、離れた場所の水滴で光が分かれて虹が見えることがあります。
Q. 夜に虹が見えるって本当?
A. **月虹(げっこう/ムーンボウ)**といって、満月に近い明るい月明かりでも条件がそろえば見えます。肉眼では白っぽく、写真だと色がわかりやすいです。
Q. 虹の“端っこ”に行ける?
A. 虹は見る人の位置と光の角度で決まるので、近づくと位置も一緒に“移動”してしまいます。実体がある橋ではなく、**「見える方向」**の現象です。
Q. 青と藍の違いは?
A. 境目がグラデーションなので明確に線引きしにくいのが実情。日本では**藍(インディゴ)**を独立させて7色に数える慣習が残っていますが、英語圏では6色にすることが多いです。
子どもと楽しむ「虹のミニクイズ」
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虹の外側にある色は?(赤)
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二重の虹の外側は色の並びが逆か、同じか?(逆)
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虹を見つけるとき、太陽は前?後ろ?(後ろ)
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夕方のほうが虹を見つけやすいのはなぜ?(太陽が低く、角度が合いやすいから)
まとめ|順番がわかれば、子どもに自信をもって教えられる
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日本の虹は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色
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外側→内側は 赤 → … → 紫
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覚え方は**「せきとうおうりょくせいらんし」や「あおきみあいす」**
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二重虹の外側は逆順、朝夕が見つけやすい
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家庭でも簡単実験で“光のふしぎ”を体験できる
次に虹を見つけたら、ぜひお子さんと色の順番を確認してみてください。
「なんで7色?」「どうして順番があるの?」といった素朴な疑問が、学びと驚きに変わります。

