お食い初めとは?基本の意味と由来
赤ちゃんが生まれてから100日ほど経つと行われる「お食い初め」。
「これからの人生で食べ物に困りませんように」という願いを込めて、赤ちゃんに食べ物を食べさせる真似をする日本の伝統行事です。
古くから続く習わしで、祖父母や親戚と一緒にお祝いするご家庭も多いですよね。特別な料理を用意し、赤ちゃんの健やかな成長を願う大切な儀式です。
お食い初めの基本的なやり方
お食い初めでは、漆器のお祝い膳を用意し、料理を赤ちゃんの前に並べます。
実際に食べさせるのではなく、口元に運んで食べる真似をするのが基本です。
このとき、家族の中で一番長寿の人が「食べさせ役」になると縁起が良いと言われています。
「長寿にあやかれるように」という意味が込められているんですね。
お食い初めの献立と縁起物の意味
お祝い膳には、一つ一つに意味を持つ料理が並びます。
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鯛(たい) … 「めでたい」に通じる縁起物
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赤飯 … 赤色が魔除けの意味を持つ
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煮物 … 家族が仲良く円満に暮らせるように
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香の物(漬物など) … 心を清らかに保つ
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歯固め石 … 「丈夫な歯が生えるように」と願いを込める
これらの料理は地域や家庭によって少しずつ違いますが、「縁起を担ぐ」という想いは共通しています。
関東と関西で異なるお食い初めの特徴
メニューの違い
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関東のお食い初め
鯛やはまぐりのお吸い物が定番。比較的シンプルで格式を重んじた献立が多いのが特徴です。 -
関西のお食い初め
鯛に加えて、タコを取り入れるご家庭もあります。タコは「多幸(たこう)」と読めることから、幸せがたくさん訪れるようにという願いが込められています。
順番や形式の違い
お食い初めで食べさせる「順番」も、関東と関西では少し違いがあると言われています。
ただし現代では、家庭ごとのやり方に合わせて柔軟に行われるケースが多く、あまり厳格に考えなくても大丈夫です。
お食い初めの順番(一般的な流れ)
一般的には、次のような順番で食べさせる真似をします。
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ご飯 → お吸い物 → ご飯
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魚 → ご飯 → お吸い物
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この流れを数回繰り返す
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最後に「歯固めの儀式」を行う
歯固めの儀式とは?
お食い初めの最後に行うのが「歯固めの儀式」です。
これは、赤ちゃんの丈夫な歯が生えてくるように願いを込める伝統的な風習です。
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神社からいただいた 歯固め石 を使うのが一般的
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石を箸で軽くつつき、その箸を赤ちゃんの歯ぐきにそっとあてる
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「丈夫な歯が生えますように」と願いながら行う
歯固め石は、地域や家庭によっては海の石や庭の小石をきれいに洗って使うこともあります。
最近では、祝い膳セットに石が同梱されていることも多いので、準備も簡単です。
地域ごとの違い
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関東:神社から授かった石を使うことが多い
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関西:石の代わりに梅干しや栗など、硬い食材を用いることもある
いずれも「赤ちゃんが元気に育ちますように」という願いが込められていて、形式にとらわれすぎず家庭ごとに工夫されるのが特徴です。
自宅でできるお食い初めの工夫
最近では、気軽に自宅でお食い初めをするご家庭が増えています。
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ネットで注文できる「お食い初め膳セット」を活用
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器だけレンタルして料理は手作りする
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写真映えするアレンジを加えて記念撮影
無理をせず、赤ちゃんと家族が楽しめるスタイルを選ぶのがおすすめです。
まとめ|地域差を楽しみながら我が家流のお食い初めを
関東と関西で献立や順番に少し違いはありますが、根本にある願いは同じ。
「赤ちゃんが健やかに成長しますように」という温かい想いを込めることが大切です。
伝統を大切にしながらも、家族らしいお祝いの形でお食い初めを楽しんでみてくださいね。