
結論から言うと、**正しいのは「行きづらい」**です。
「行きずらい」は誤用になります。
この記事では、なぜ「づらい」が正しいのか、
「行き辛い」という漢字表記との関係、
そして日常での自然な使い方を例文つきで解説します。
✅ 「行きづらい」が正しい理由
「行きづらい」は、「行くのが難しい」「行きにくい」という意味を表します。
「〜づらい」は、動詞の連用形に付いて「〜しにくい」「〜が困難」という意味を持つ正しい接尾語です。
例:
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「見づらい」=見るのが難しい
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「聞きづらい」=聞くのが難しい
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「話しづらい」=話すのが難しい
同じように「行きづらい」も、「行くことが困難」「心理的に行きにくい」という表現として正解です。
❌ 「行きずらい」は誤用
「ずらい」という言葉は、日本語として正しい形ではありません。
辞書にも掲載されておらず、あくまで**「発音の混同による誤記」**です。
日本語では「ず」と「づ」の発音が似ているため、
「話しづらい」→「話しずらい」と間違えてしまうケースがよく見られます。
しかし、文法的には「づらい」が正解です。
🈶 「行き辛い」と漢字で書いてもOK?
「行きづらい」は、漢字で「行き辛い」と書くこともできます。
この「辛い」は「つらい(苦しい)」という意味を持ち、
「行くのが苦しい・難しい」というニュアンスを表します。
ただし、最近の文書やネット記事では、**ひらがな表記の「行きづらい」**が一般的です。
読みやすさ・柔らかさを重視する場面では、ひらがなで書くのが無難です。
💡 「づらい」と「ずらい」の違いをもう一度整理
| 表記 | 意味 | 文法上の正しさ |
|---|---|---|
| 〜づらい | 困難・しにくいを表す接尾語 | ✅ 正しい |
| 〜ずらい | 存在しない(誤用) | ❌ 誤り |
「づらい」は古語「つらい(辛い)」に由来し、
動作や心理的な難しさを表す言葉です。
一方「ずらい」は言語的な根拠がなく、
「ず」と「づ」の発音が似ているために生まれた誤記です。
🔊 なぜ「ずらい」と書いてしまうのか?
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発音の近さ
標準語では「ず」と「づ」の音の違いがほとんどなく、
耳で聞くと同じように感じるため間違いやすい。 -
変換ミス
スマホやPCの日本語入力で「ずらい」と打っても一部で変換候補が出ることがあり、
それが誤用を広める一因になっています。
👉 対策:
ローマ字入力の際は「du」と入力すると、正しい「づらい」が出やすくなります。
✏️ 「行きづらい」の意味と使い方(例文つき)
「行きづらい」は大きく2つの意味で使われます。
① 物理的に行くのが難しい
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「駅から遠くて行きづらい」
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「階段しかなくて行きづらい」
② 心理的に行きにくい
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「上司の家には行きづらい」
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「初めての場所で少し行きづらい」
→ 特に②の「心理的に行きにくい」という意味で使われることが多いです。
🌸 間違いやすい類似表現との違い
| 表現 | 意味 | 違い |
|---|---|---|
| 行きづらい | 行くのが困難・ためらう気持ち | 正しい |
| 行きずらい | 誤用(存在しない表現) | 誤り |
| 行きにくい | 物理的・感情的に難しい(類義) | 正しい |
| 行きたくない | 意志的に拒む表現 | 別の意味 |
🪶 まとめ:「行きづらい」が正解
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正しい表記は 「行きづらい(行き辛い)」
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「行きずらい」は誤用
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「づらい」は「〜しにくい」「困難」を表す接尾語
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「ずらい」は存在しない形
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漢字で書くなら「行き辛い」も可、ただし一般的にはひらがなが自然
「行きづらい」と「行きずらい」はたった1文字の違いですが、
正しく使うことで文章全体の印象や信頼性がぐっと高まります。
あなたの言葉遣いが、より丁寧で伝わりやすい日本語になるきっかけになれば幸いです。

