
1. 結論:「様」は基本的に消すのがマナー
レターパックの宛名欄や差出人欄に印刷されている「様」。
そのまま出していいのか、消すべきなのか――迷ったことはありませんか?
結論から言えば、ビジネス利用では“様”を二重線で消すのが正解です。
なぜなら「様」は相手に対して使う敬称であり、自分(差出人)に付けるのは不自然だから。
つまり、封筒に印刷された「差出人様」は「自分を敬う」形になってしまうため、マナー上は避けたほうがよいのです。
また、ビジネスシーンでは細部のマナーが信頼感を左右することも。
宛名の“様”を丁寧に処理するだけで「この人は細かい部分まで気を配る」と好印象を与えられます。
ただし、個人同士のやり取りや贈答などでは残しても問題なし。
公式な文書や企業への送付時にはきちんと消す、という線引きが安心です。
2. 「様」を消すときの正しいやり方
「様」を消すときは、定規を当ててまっすぐ二重線で。
手書きで斜線を引くよりも見た目が整い、丁寧な印象になります。
黒のボールペンまたはサインペンを使用し、消しゴムや修正液は使わないのが基本です。
💡ワンポイント
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二重線は必ず水平に引く
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修正テープ・塗りつぶしはNG
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字がかすれた場合は新しい封筒を使うのがベスト
消した「様」の横に「御中」や「自分の氏名」を書き添えることもできますが、位置を詰めすぎず読みやすく配置しましょう。
3. 「御中」と「様」の使い分けを整理
「様」と「御中」を混同して使う人は多いですが、この2つは明確に使い分けが必要です。
以下の表をチェックしておきましょう。
| 宛名の対象 | 正しい書き方 | 敬称の扱い |
|---|---|---|
| 個人宛て | 山田太郎 様 | 「様」を付ける |
| 会社・部署宛て | 株式会社〇〇 御中 | 「御中」を付ける |
| 会社+担当者名宛て | 株式会社〇〇 御中 営業部 田中様 |
両方を使う |
| 自分宛て(差出人) | 二重線で「様」を消す | 敬称不要 |
✏️ 間違いやすい例
× 株式会社〇〇様 御中 → 二重敬称で誤り
× 株式会社〇〇(御中なし)営業部田中様 → 会社名に敬称抜け
このポイントを押さえるだけで、受け取る相手に「常識がある人だな」と好印象を与えられます。
4. 差出人欄(依頼主欄)の書き方マナー
レターパックには宛名欄のほかに「ご依頼主欄」があります。
ここにも「様」「おところ」「おなまえ」といった接頭辞が印刷されていますね。
ビジネス利用では、これらもすべて二重線で消すのが基本です。
理由はシンプルで、自分を敬う表現を避けるため。
| 状況 | 間違い | 正解 |
|---|---|---|
| 自分に「様」を残した | 田中太郎様 | 田中太郎(様を二重線で消す) |
| 「ご住所」をそのまま | ご住所 東京都中野区~ | 住所 東京都中野区~(「ご」を消す) |
個人利用の場合はそこまで厳密にしなくてもOKですが、消しておくとより丁寧です。
宛名と差出人、どちらも敬称の付け方ひとつで印象が変わることを覚えておきましょう。
5. 「様」を消し忘れたときはどうなる?
もし「様」を消し忘れて投函してしまっても、郵便が届かないということはありません。
ただし、ビジネス上では「マナーを知らない人」と見なされる可能性があります。
特に契約書・見積書・請求書などのやり取りでは、細かい部分の丁寧さが信用に直結します。
たとえ配達トラブルはなくても、受け取った側の印象に差が出るという点は覚えておきましょう。
6. 書き間違えたときの対処法
もし宛名や差出人を間違えてしまった場合、
正式には修正液や修正テープは使わず、新しい封筒を使い直すのが推奨です。
やむを得ず修正する場合は、間違えた部分に水平の二重線を引いて正しい情報を上書きします。
このとき、消し跡が読める程度に残すのがマナー。
黒く塗りつぶすと、かえって雑な印象になります。
7. 郵便局公式が推奨する書き方
日本郵便の公式サイトでも、
「レターパックの宛名は黒または青のペンで明瞭に書く」と案内されています。
鉛筆や薄いインク、消せるペンなどは避け、
時間が経っても消えない筆記具を選びましょう。
公式の推奨を押さえることで、配送時のトラブルも防げます。
8. 個人利用では柔軟な判断もOK
家族や友人への荷物、フリマアプリの取引など、
フォーマルさを求めないケースでは「様」を残しても構いません。
むしろ、あえて消さずに残すことで、
親しみやすさや温かさが伝わることもあります。
TPOを考えて使い分けることが、レターパックを上手に活かすコツです。
9. 封筒マナーの豆知識
レターパックに限らず、宛名の配置にも細かなマナーがあります。
たとえば、宛名を封筒の中央よりわずかに右下がりに配置すると、
郵便局員が宛先を読み取りやすく、全体の見栄えも整います。
また、宛名の字は住所よりも少し大きめに書くのが基本です。
10. レターパックライトとプラスの違いも押さえておこう
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レターパックプラス:対面受け取り。受領印あり。重要書類や契約書送付に最適。
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レターパックライト:ポスト投函で受け取り簡単。厚さ3cm以内。軽い書類向け。
どちらを使う場合も宛名のマナーは共通です。
ただし、ビジネスシーンではプラスの利用が基本。受領印があるため、到着証明として使えます。
11. 出す前の最終チェックリスト
投函前に次のポイントを見直せば完璧です👇
☑ 差出人欄の「様」「お」「ご」に二重線を引いた
☑ 宛名欄の「御中」「様」を正しく使い分けた
☑ 住所を省略せず、番地・建物名まで記載した
☑ 書類を厚紙・クリアファイルで保護した
☑ 厚さ制限(ライト3cm以内)を確認した
☑ 追跡番号を控えた
これだけで見た目も整い、ビジネス文書としての信頼度が大幅にアップします。
12. まとめ:小さな気配りが信頼につながる
レターパックの宛名マナーは、一見細かいようでいて相手への敬意を表す大切なポイントです。
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ビジネスでは差出人の「様」や「お」「ご」を二重線で消す
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宛名では「様」と「御中」を正しく使い分ける
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個人利用なら柔軟でOKだが、整えるとより丁寧
ほんの数分の気配りで、相手からの印象はぐっと良くなります。
大切な書類ほど、マナーを意識してスマートに送り出しましょう。

